更年期障害

このような症状はありませんか？

• 顔や体がほてる
• のぼせや発汗が気になる
• 冷え性がつらい
• ひどい肩こりや頭重感
• イライラする、気持ちが落ち込む
• 不眠や眠りが浅い
• 生理不順がある
• 自律神経の乱れを感じる

1.思春期（10代）

生理が始まり、生殖機能が発達していく時期です。女性ホルモンの分泌が不安定ながらも急激に高まるため、生理不順や月経痛などのトラブルが起こりやすくなります。

2.性成熟期（20〜40代）

ホルモン分泌が安定し、妊娠・出産を経験する方が多くなる時期です。一方で、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患が見つかりやすくなるため、定期的な検診が大切です。

3.更年期（40〜50代）

閉経が近づくことで、女性ホルモンの分泌が大きく低下し始めます。そのため、ほてり・動悸・不眠などの心身の不調が現れることがあり、症状が強い場合は「更年期障害」と呼ばれます。

4.老年期（50代以降）

女性ホルモンが減少し、皮膚や髪、骨や血管など全身に影響が出やすくなる時期です。骨粗しょう症や動脈硬化、脂質異常症といった生活習慣病のリスクも高まるため、予防と健康管理が重要です。

ホルモン補充療法（HRT）

■ホルモン補充療法のお薬の種類

・飲み薬（消化管から吸収）：プレマリン錠、プロペラ錠、エフメノカプセル など

・貼り薬（皮膚から吸収）：エストラーナテープ、メノエイドコンビパッチなど

・塗り薬（皮膚から吸収）：ル・エストロジェル など

■それぞれの特徴とメリット

飲み薬：服用しやすい一方で、肝臓で代謝される「初回通過効果」により、血栓症などのリスクがやや高まることがあります。

貼り薬・塗り薬：皮膚から直接吸収されるため、肝臓を経由せずに作用します。

その結果、

・中性脂肪や動脈硬化のリスクが上がりにくい

・静脈血栓症のリスクが少ない

・乳がんリスクが飲み薬に比べて低いとされる

などのメリットがあります。ただし、皮膚のかぶれに注意が必要です。

初回通過効果とは？

飲み薬は消化管から吸収されたあと、全身に届く前に肝臓を通過します。このとき肝臓の酵素によって薬が代謝されてしまう現象を「初回通過効果」と呼びます。

漢方薬による治療

■よく使われる漢方薬の例

補中益気湯（ほちゅうえっきとう）：からだのエネルギー不足を補い、疲れやすさや倦怠感を改善するとされています。体力が落ちて元気が出ない方に処方されやすい漢方です。

加味逍遙散（かみしょうようさん）：更年期によくみられる「イライラ」「不安感」「気分の落ち込み」などの精神的な症状に効果が期待できます。情緒の安定をサポートする漢方です。

桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）：血の巡りを良くすることで、のぼせや頭重感、肩こり、冷えなどの症状をやわらげるとされます。血流の滞り（お血：おけつ）が関係すると考えられる症状に使われます。

サプリメントによるサポート

■アグリマックス（大豆イソフラボン）

大豆イソフラボンは、女性ホルモン（エストロゲン）と似た働きをする「植物性エストロゲン」です。

更年期に伴う女性ホルモンの減少をやさしく補い、ホットフラッシュ（のぼせ・ほてり）や骨粗しょう症の予防サポートなどに役立つとされています。

更年期治療プラセンタ注射

■プラセンタとは？

プラセンタとは「胎盤」のことを指し、母体と胎児をつなぎ、成長を支える大切な臓器です。出産後に体外へ排出された時点でも、豊富な栄養成分が多く含まれています。

◎期待される効果：自律神経の調整/免疫力の強化/疲労回復/美肌効果

このように多方面から体をサポートする効果が期待され、更年期に伴う不調の改善に役立つ治療法のひとつとされています。